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​セラピューティック・ライフストーリーワークとは?

「自分は誰から生まれたんだろう?」

「どうして生まれた家族とは離れて暮らしているのかな?」

社会的養護で暮らす子どもたちの中には、自分の出自や社会的養育に至った理由を知らないまま育っていることがあります。自分の成育史を知らないことや、それに伴う感情が未消化なままであることが、子どもや若者の人生に影響を与えることがあります。  セラピューティック・ライフストーリーワークは、過去のトラウマからの苦しみの中にいる子どもが、自分史を振り返り、自分自身への思いやりを育み、前に進むことを助けるための取り組みです。子どもが過去の出来事を理解し、現在にどのような影響を及ぼしているのか自覚することで、未来について考えることができるようになります。

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THERAPEUTIC
​LIFE STORY WORK
​セラピューティック
​ライフストーリーワーク

TLSW Japanは、創始者リチャード・ローズ博士が率いるTLSW Internationalから、日本におけるセラピューティック・ライフストーリーワークの実践者育成と普及を委託された国内唯一の機関です。

当機関の運営は一般社団法人ALLOUNDが行っています。

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トラウマからの回復は単純でも簡単でもないが、必ず可能である Richard Rose(2017)

英国出身。セラピューティック・ライフストーリーワークの創始者。 国際団体であるTLSWi(Therapewtic Life Story Work International)代表 。 ラ・トローブ大学(メルボルン)でソーシャルワーク・社会政策の非常勤准教授、ベリー・ストリート (メルボルン)の名誉アソシエイト。シドニー大学オープン・アドプション研究所名誉会員。定期的に米国を訪れ、ポートランド州立大学、オレゴン州保健省等で講演を行っている。17歳のときからトラウマを抱えた子どもとその家族と関わり、1989年にソーシャルワークの資格を習得。英国で地方自治体の児童保護に関わり、メアリー・ウォルシュ研究所の臨床実践ディレクターなど、38年間にわたる臨床経験をもつ。 著書に 訳出済み:「わたしの物語 トラウマを受けた子どもとのライフストーリーワーク福村出版 ( “The Child’s Own Story: Life Story Work with Traumatised Children” (2004) の翻訳), 以下未翻訳:,“Life Story Therapy with Traumatised Children - A Model for Practice” (2012) , “Innovative Therapeutic Life Story Work” (2017)など。

セラピューティック・ライフストーリーワークの 3つのステージ

第一段階:情報収集のステージ

こどもの出生前・出生後の歴史を明確にするために、手紙やメール、訪問などを通して情報を得る段階です。セラピューティック・ライフストーリー・ワーカー(以下TLSWerと省略)は、こどもの幼少期を、親や関係者へのインタビューなどを通して明らかにしていきます。ここで得た情報は、こどもの内的作業モデルや愛着関係を理解する上で大事な情報をもたらします。写真や母子手帳は、次のステップでこどもとの話し合いを進める上での重要な手掛かりとなります。またこの情報は、こどもの支援者(教育や医療に関わる専門職)にとってもこどもを理解する上で有益なものです。

第二段階:内面化

第一段階で得られた情報(あるいは得られなかった情報)を元に、TLSWerはこどもの気持ちや願いを、言葉や他の方法で表現していけるよう、サポートします。通常このフェーズでは12回から18回ほどの時間をかけます。また、主たる養育者(施設職員・里親)にこのプロセスを共有します。

第三段階:ライフストーリーブックの作成

第一段階で得られた情報と、そこに関わる気持ちを探求した上で第三段階では、自分の人生をまとめたライフストーリーブックとして作成します。TLSWerは、得られた情報をこどもがまとめて表現することを支援します。

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